遠き慮りなければ必ず近き憂えあり
読み方:とおき おもんぱかり なければ かならず ちかき うれえ あり
意味
将来を見通して十分に考え、あらかじめ備える心構えがなければ、やがて近い時期に困難や心配事が必ず起こる、という意味。目先のことだけでなく、長期的な見通しを持って行動することの大切さを説く。
由来
中国の古典「論語」衛霊公篇にある孔子の言葉「人無遠慮、必有近憂(人にして遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り)」に由来する。成立は春秋時代の孔子(紀元前551年~紀元前479年)の言行を、弟子たちが後世に編纂したものとされ、論語自体の成立は戦国時代から前漢初期頃と考えられている。
備考
「慮り」は深く考えること、「遠き」は遠い将来、「近き憂え」は近い将来に生じる心配・災難をいう。単に先のことを過度に心配せよ、という意味ではなく、先見性と準備の重要さを説く言葉。
別表記
- 人にして遠き慮りなければ、必ず近き憂いあり
- 遠き慮り無ければ必ず近き憂い有り
- 人にして遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り
誤用・混同注意
- 「遠き慮り」を、遠い場所で起こる出来事への心配という意味に解するのは誤り。将来を見通した長期的な思慮・備えを指す。
- 将来のことを必要以上に不安がるべきだという意味にするのは不正確。先を見越して準備しなければ、近いうちに問題が生じるという戒めである。
例文
- 会社の設備更新を先延ばしにしているが、遠き慮りなければ必ず近き憂えありという。数年先の故障に備えて計画を立てるべきだ。
- 老後の資金について考えるたびに、「遠き慮りなければ必ず近き憂えあり」という言葉を思い出し、毎月少しずつ貯蓄している。
- 災害対策は、被害が起きてからでは遅い。遠き慮りなければ必ず近き憂えありの教えに従い、避難用品を準備しておこう。
分類
類義語
対義語
- 行き当たりばったり
- 無計画