遊びをせんとや生まれけむ
読み方:あそび を せん とや うまれ けむ
意味
人は遊びや楽しみのために生まれてきたのではないか、という気持ちを表す言葉。子どもたちが無心に遊ぶ声を聞き、自分まで心が弾んで動き出したくなるような、遊びの喜びや生命の躍動を詠んでいる。単に怠けたり享楽にふけったりすることを肯定する意味ではない。
由来
平安時代後期の今様歌謡集「梁塵秘抄」に見える歌の冒頭句である。後白河法皇が編纂に関わったとされ、成立・編纂は治承3年(1179年)頃とされる。原歌は「遊びをせんとや生まれけむ、戯れをせんとや生まれけむ、遊ぶ子供の声聞けば、我が身さへこそ動がるれ」と続く。
備考
「せん」は「する」の意志・推量を含む古語、「や」は疑問・反語、「けむ」は過去の推量を表す。現代では、遊びや創造を楽しむ心を肯定的にいう際に引用される。
別表記
- 遊びをせんとや生まれけん
- 遊びをせんとや生れけむ
誤用・混同注意
- 「遊びだけが人生の目的であり、勉強や仕事は不要だ」という意味に限定して解釈するのは不適切。原歌は、子どもの遊ぶ姿に触発される生命の喜びや心の躍動を表したものである。
- 「せんとや」を現代語の単なる『しようとして』とだけ捉えるのは不十分。ここでは『遊ぼうとして、あるいは遊ぶために』という趣旨に、詠嘆的な疑問の響きが伴う。
例文
- 休日に子どもたちが公園で走り回る姿を見ると、「遊びをせんとや生まれけむ」という言葉を思い出す。
- 仕事ばかりで心が疲れているなら、たまには遊びをせんとや生まれけむの心で、好きなことに没頭してみよう。
- 彼は楽器を手にすると年齢を忘れて夢中になる。まさに遊びをせんとや生まれけむという人だ。
分類
類義語
- よく学びよく遊べ
- 人生を楽しむ
対義語
- 働かざる者食うべからず
- 若いうちの苦労は買ってでもせよ
対比・対照ことわざ
- よく学びよく遊べ
- 働かざる者食うべからず