賄賂には誓紙を忘る
読み方:わいろ には せいし を わする
意味
賄賂の誘惑や金品の力の前では、神仏などに対して書面で立てた厳かな誓いさえ忘れ、人は不正な行為をしてしまうという意味。金銭が人の良心・信義・公正な判断を揺るがせることを批判的にいう。
由来
「誓紙」は神仏に誓約する内容を書いた文書で、起請文の一種をいう。賄賂を受け取る者は、そのような重い誓約さえ忘れて不正に走る、という皮肉から生まれた表現である。正確な初出資料・成立年は明らかでないが、江戸時代(17~19世紀)には上方いろはかるたの「わ」の札として知られていた。
備考
現在は日常会話で頻繁に使う語ではなく、やや古風な表現。賄賂や汚職を容認する意味ではなく、金品が人の信義を損なうことへの戒め・批判として用いる。
別表記
- 賄賂には誓紙を忘れる
補足
- 「誓紙」は一般に「せいし」と読む。「せいがみ」と読むのは標準的ではない。
- 賄賂によって誓約が無効になるという法律上の意味ではない。金品の誘惑が人の信義を失わせるという戒めである。
例文
- 公平な審査を誓っていた担当者が金品を受け取ったなら、まさに「賄賂には誓紙を忘る」だ。
- 研修では、賄賂には誓紙を忘るということわざを引き、職務上の誓約を守る重要性が説かれた。
- どれほど立派な倫理規程を作っても、監督が甘ければ賄賂には誓紙を忘るという事態になりかねない。
分類
類義語
- 地獄の沙汰も金次第
- 金があれば馬鹿が旦那