貧乏人は宵から正月
読み方:びんぼうにん は よいから しょうがつ
意味
貧しい人は、正月のために特別な支度をする余裕や必要がないとみなされ、大晦日の宵(夜)から、もう正月同然に休んでいるというたとえ。年末の準備が少なく、早く暇になる人をからかった古い言い方である。
由来
成立年や初出文献は未詳である。江戸時代に流布した尾張いろはかるたの「ひ」の札として知られる。正月には餅・料理・新調品などの支度が必要だった庶民生活を背景に、正月準備をする余裕のない貧乏人をからかって生まれた日本の俗諺と考えられる。
備考
「貧乏人」は現代では侮蔑的・差別的に響きうる語である。他人を評して使うのは避け、歴史的な表現の説明や自嘲的な引用にとどめるのが無難。
誤用・混同注意
- 「貧しい人が大晦日の夜からぜいたくな正月祝いをする」という意味ではない。正月準備をする余裕や用事がなく、早く休みに入るという、からかいを含む表現である。
例文
- 江戸時代の風俗を解説する資料には、「貧乏人は宵から正月」という言い回しが見られる。
- 年末の支度がほとんどない彼は、冗談めかして「貧乏人は宵から正月だ」と言い、大晦日の夜から休んだ。
- このことわざは、早く正月気分になる人をいう場合があるが、現在では不用意に他人へ使わないほうがよい。