触らぬ神に祟り無し
読み方:さわらぬ かみに たたりなし
意味
厄介な相手や危険・不吉な事柄には、むやみに関わったり手出ししたりしないほうがよい、というたとえ。関与しなければ、その相手から害や災難を受けることもないという意味である。「神」は恐ろしい力を持つ存在、「祟り」はその怒りによる災いを表す。
由来
正確な成立時期や初出文献は明らかではない。恐ろしい神霊に不用意に触れたり、その領分を侵したりすれば祟りを受けるという民間信仰を背景に生まれた表現と考えられる。江戸時代(17〜19世紀)には江戸いろはかるたの「さ」の札として定着し、広く知られるようになった。
備考
責任回避や事なかれ主義を表すように受け取られることもあるため、職場などで使う際は注意が必要。必要な救助・報告・対応まで避けるべきだという意味ではない。
別表記
- 触らぬ神に祟りなし
- 触らぬ神にたたりなし
- 障らぬ神に祟りなし
- 障らぬ神に祟り無し
誤用・混同注意
- 「神を敬わなくてもよい」という意味ではない。厄介・危険な相手や事柄に、むやみに関与しないという戒めである。
- 「関わらなければ問題が必ず解決する」という意味ではない。必要な責任や対応まで放棄することを勧める表現ではない。
例文
- 部署間の対立に事情も分からず口を出すのはやめよう。触らぬ神に祟り無しという。
- 近所のトラブルは当事者同士で解決してもらうのがよさそうだ。触らぬ神に祟り無しだよ。
- 根拠のないうわさを深追いしても面倒になるだけだ。触らぬ神に祟り無しで、関わらないことにした。
分類
類義語
- 君子危うきに近寄らず
- 危ない橋を渡らない
- 藪をつついて蛇を出す