検索

蝉は夏を知らない

読み方:せみは なつを しらない

意味

「蝉は夏を知らない」は、定着したことわざ・格言ではなく、固有の比喩的意味も確立していない。字義どおりには「蝉が夏を認識していない」という意味である。創作的な文脈では、ある環境の中にいる人ほど、その環境の特色や価値に気づきにくいという趣旨を表すことがあるが、慣用的な解釈ではない。

由来

「蝉は夏を知らない」という形が、ことわざや格言として成立した時期・出典は確認できない。中国・戦国時代(紀元前4~3世紀頃)成立とされる『荘子』「逍遥遊」には「蟪蛄不知春秋(けいこ しゅんじゅうを しらず)」があり、日本では「蟪蛄春秋を知らず」として知られる。しかし原句の趣旨は、寿命の短い蝉が春と秋を知らないというものであり、「夏を知らない」ではない。

備考

定着したことわざではなく、文脈に依存する創作的表現である。「蟪蛄春秋を知らず」の異形・正しい言い換えではない。

補足

  • 「蝉は夏を知らない」を『蟪蛄春秋を知らず』の正しい言い換えや異表記とみなすこと。『荘子』の原句は、蝉が「春秋」を知らないという趣旨であり、「夏」を知らないという意味ではない。

例文

  • 作者は「蝉は夏を知らない」と書き、日常に埋もれる人の無自覚を創作的に表現した。
  • この文章でいう「蝉は夏を知らない」とは、都会に住む人が都市生活の便利さを意識しなくなることの比喩である。
  • 「蝉は夏を知らない」は定型のことわざではないため、発表で使うなら意図を説明したほうがよい。

分類

このことわざに使われている漢字