蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる
読み方:へび に かまれて くちなわ に おじる
意味
蛇に咬まれた人が、その後は蛇に似た朽ちた縄を見ただけでも恐れるように、一度ひどい災難や失敗を経験すると、それに似た無害なものにまで必要以上におびえたり、用心しすぎたりすることのたとえ。
由来
中国で古くから伝わる「一朝被蛇咬、十年怕井縄(一度蛇に咬まれると、長年井戸の縄まで恐れる)」などの民間諺に相当する発想を、日本語のことわざとして表したものとされる。中国の原話・日本語形の初出や成立年代は明確ではない。
備考
「怖じる」は「おじる」と読み、恐れる・おびえる意。単なる慎重さではなく、過去の経験によって過度に恐れるというやや否定的なニュアンスで用いる。上方いろはかるたの「へ」の札としても知られる。
別表記
- 蛇に噛まれて朽縄に怖じる
- 蛇に噛まれて朽ち縄を怖じる
- 蛇に噛まれて腐れ縄に怖じる
誤用・混同注意
- 「怖じる」を「こわじる」と読むのは誤りで、読みは「おじる」。
- 単に慎重に行動するという褒め言葉として使うのは不正確で、過去の被害による過剰な恐怖や警戒を表す。
例文
- 以前の取引でだまされた経験があるので、彼は蛇に咬まれて朽ち縄に怖じるように、新しい契約にもなかなか応じない。
- 一度大きな事故を起こしたからといって、蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる態度では仕事が進まない。
- その警報は誤作動だったが、先月の火災を経験した住民は蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる思いで避難した。
分類
類義語
- 羹に懲りて膾を吹く
- 一度蛇に咬まれれば三年縄を怖る