検索

聖人に夢なし

読み方:せいじん に ゆめ なし

意味

徳が高く、私欲・煩悩・心配などに心を乱されない聖人は、眠っていても夢を見ることがない、ということ。転じて、優れた人格者は欲望や不安、非現実的な空想に振り回されず、心が平静であることをいう。

由来

中国・戦国時代の思想書『荘子』の「大宗師」にある「古之真人、其寝不夢、其覚無憂(古の真人は、その寝ぬるや夢見ず、その覚むるや憂いなし)」に基づくとされる。心に煩いのない真人は眠っても夢を見ない、という思想が、日本で「聖人に夢なし」として定着した。『荘子』は紀元前3世紀頃に成立したとされる。

備考

尾張いろはかるたの「せ」の札。現代の日常会話ではやや文語的で使用頻度は高くない。「夢」は主に睡眠中の夢を指し、将来の希望や志を否定する意味ではない。

別表記

  • 聖人に夢無し

誤用・混同注意

  • 「夢」を将来の希望・願望だけと解し、「立派な人は夢や志を持たない」という意味にするのは不適切。もとは睡眠中の夢をいい、煩悩や憂いがないことを表す。

例文

  • 私欲や不安に乱されない彼は、聖人に夢なしという言葉を思わせるほど穏やかだ。
  • 名誉にも財産にも執着しない師を、弟子たちは「聖人に夢なし」と敬意を込めて評した。
  • 悩みで眠れない私に対し、友人は熟睡している兄を指して「まるで聖人に夢なしだね」と冗談を言った。

分類

類義語

このことわざに使われている漢字