粋は身を食う
読み方:すい は み を くう
意味
粋人らしく見せようとして、衣服・遊興・趣味などに金や労力をかけすぎると、結局は財産や身代を減らし、自分を苦しめることになるという戒め。「粋」であること自体を否定するのではなく、見栄や道楽に度を越して入れ込むことの危険をいう。
由来
成立時期や最初の文献上の出典は明確ではない。江戸時代の町人文化の中で、「粋(すい)」、すなわち遊びや身なりに通じた洗練を重んじる風潮を背景に生まれたとされる。粋を通すために遊興費や衣服代を使いすぎれば、かえって身代を損なうという現実を、「粋」が自分の身を食うものとして表現した。江戸いろはかるたの「す」の札として広く定着した。
備考
「粋」はこの句では「いき」ではなく「すい」と読む。江戸の遊里・町人文化における、洗練された身なりや遊びへの通暁を指す。粋そのものではなく、過度の見栄や浪費を戒める表現である。
別表記
- 粋が身を食う
- 粋は身を喰う
- 粋は身を食ふ
誤用・混同注意
- 「粋」を「いき」と読んで「いきは身を食う」とするのは誤り。標準的な読みは「すいはみをくう」。
- 粋であることや洗練を全面的に否定する意味ではない。見栄や遊興に金を使いすぎて身を損なうことへの戒めである。
例文
- 彼は粋を通そうとして高価な着物や遊興に金をつぎ込み、まさに「粋は身を食う」状態になった。
- 店の内装にこだわるのはよいが、借金までしてぜいたくを重ねれば、粋は身を食うことになりかねない。
- 江戸の町人にとっても、見栄と道楽に入れ込みすぎるなという「粋は身を食う」は大切な戒めだった。
分類
類義語
- 過ぎたるは及ばざるが如し
- 驕る平家は久しからず
対義語
- 芸は身を助ける
- 倹約は身を助ける
対比・対照ことわざ
- 芸は身を助ける
- 過ぎたるは及ばざるが如し