空の鳥を見よ、野の花を見よ
読み方:そら の とり を みよ、の の はな を みよ
意味
将来の生活や物質的な不足を過度に心配せず、空の鳥や野の花のような自然の姿に目を向け、神の摂理・恵みを信頼して生きよ、という教え。日常では、先のことを思い煩いすぎず、今を落ち着いて生きるよう促す言葉としても用いられる。
由来
新約聖書の「マタイによる福音書」第6章(山上の説教)にあるイエスの教えに基づく。1世紀、福音書の成立はおおむね80~90年頃とされる。「空の鳥」と「野の花(野の百合)」を見て、食べ物や衣服について思い煩わないよう説く箇所を、日本語で簡潔に言い表した表現である。現在のまとまった日本語の言い回しがいつ定着したかは明確ではない。
備考
キリスト教の文脈では、神が人を養うことへの信頼を説く言葉である。単に「働かず準備もしなくてよい」という意味ではない。引用・題名・説話的な場面で使われることが多い。
別表記
- 空の鳥を見よ、野の百合を見よ
- 空の鳥を見なさい、野の花を見なさい
誤用・混同注意
- 「何も働かず、生活のための努力や備えをしなくてよい」という意味に解するのは不適切。主眼は、必要以上に生活を思い煩わず神を信頼することにある。
- 自然観察だけを勧める言葉とするのは限定的な解釈であり、本来はマタイによる福音書の神への信頼という文脈を持つ。
例文
- 将来への不安で眠れない友人に、祖母は「空の鳥を見よ、野の花を見よ」と語り、思い煩いすぎないよう諭した。
- 競争に疲れた彼は、散歩の途中で「空の鳥を見よ、野の花を見よ」という言葉を思い出した。
- この随筆は「空の鳥を見よ、野の花を見よ」を題に、自然の美しさと信頼について考察している。