神の留守に仏参り
読み方:かみ の るす に ほとけまいり
意味
ふだん拠り所としている神・主義・立場を、当人や周囲の目がない時だけ別のものに替えること。そこから、都合に応じて信仰や態度を変える節操のなさや、陰で別の相手に取り入ることを皮肉る。
由来
旧暦十月(神無月)には全国の神々が出雲へ集まり、各地の神が留守になるという民間信仰を背景にする。神を信じる者が、その留守中に仏を拝むという比喩から、信仰や立場を都合よく替える意味になった。初出・正確な成立年は未詳だが、江戸時代に上方いろはかるたの「か」の札として定着した。
備考
現代では使用頻度が高いとはいえず、やや古風な表現。宗教の優劣をいうのではなく、神仏を人間関係になぞらえ、変節や陰での乗り換えをからかう言い方である。
別表記
- 神の留守に仏詣り
- 神の留守に仏詣で
誤用・混同注意
- 「神無月に寺へ参拝する一般的な習慣」を指すだけだと解するのは不十分。主眼は、都合よく信仰・立場を替える節操のなさを皮肉る点にある。
例文
- ふだんは会社の方針を支持していたのに、部長が出張するとすぐ反対派に加わるとは、まさに神の留守に仏参りだ。
- 彼は有力者の前では忠実そうに振る舞い、いない所では別の派閥に取り入る。神の留守に仏参りというほかない。
- 長く掲げてきた信条を、少し形勢が変わっただけで捨てるのは、神の留守に仏参りのような節操のない態度だ。
分類
類義語
- 苦しい時の神頼み
- 日和見
- 節操がない