深淵に臨んで薄氷を履むが如し
読み方:しんえん に のぞんで はくひょう を ふむ が ごとし
意味
非常に深い淵のそばに立つ時や、薄い氷の上を歩く時のように、少しの油断も許されない危険な状況に、細心の注意と緊張をもって臨むべきだというたとえ。重大な責任を負う場面や、失敗が大きな結果を招く場面で用いる。
由来
中国最古の詩集とされる『詩経』の「小雅・小旻」にある「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄氷(戦々兢々として、深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し)」に由来する。『詩経』の詩は、おおむね紀元前11世紀から紀元前6世紀ごろまでに成立したとされる。日本では漢籍の受容を通じて、慎重さを説く故事ことわざとして定着した。
備考
「戦戦兢兢」「深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」ともいう。単に怖がることではなく、危険や責任を自覚して極度に慎重に行動する意を表す。
別表記
- 深淵に臨むが如く薄氷を履むが如し
- 深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し
- 深淵に臨み薄氷を履むが如し
- 深淵に臨むがごとく薄氷を履むがごとし
誤用・混同注意
- 「深淵」を単に『深い知識・学問の世界』の意味だと解して用いるのは不適切。本来は危険な深い淵を指す。
- 「薄氷を踏むが如し」と混同されることがあるが、出典に基づく代表的な形は「薄氷を履むが如し」である。
例文
- 新規事業の開始にあたり、経営陣は深淵に臨んで薄氷を履むが如しの慎重さでリスクを検討した。
- 個人情報を扱う仕事では、深淵に臨んで薄氷を履むが如しという心構えが求められる。
- 交渉は些細な一言で決裂しかねないので、彼は深淵に臨んで薄氷を履むが如く言葉を選んだ。