河童の寒稽古
読み方:かっぱ の かんげいこ
意味
水中で暮らす河童にとって、寒い時期に水中で稽古をすることは少しも苦痛ではない、というたとえ。周囲には大変そうに見える事柄でも、その道に慣れた人・得意な人にとっては平気であり、苦にならないことをいう。
由来
水辺に住み、水中での活動を得意とするという河童の伝承に基づく日本のたとえである。人間には厳しい寒中の水稽古も、河童なら苦にしないという発想から生まれた。正確な初出文献や成立年は明らかでないが、江戸時代以降に広まった俗諺・たとえと考えられている。
備考
「河童の川流れ」は、得意な者でも失敗することのたとえであり、意味が反対方向なので混同しない。現代では日常会話よりも、文章的・たとえとして用いられることが多い。
別表記
- かっぱの寒稽古
- 河童の寒中稽古
誤用・混同注意
- 「河童の川流れ」と同じく『達人でも失敗する』という意味で解釈するのは誤り。こちらは、得意な人には苦痛でも困難でもないことをいう。
- 字面どおりに『河童が厳しい寒中稽古をして苦しむ』という意味に取るのは誤り。河童には水中の寒さが苦にならない、というたとえである。
例文
- 長年冬の海で泳いできた彼にとって、水温十度の海での練習は河童の寒稽古だ。
- この程度の細かい修理なら、ベテランの職人には河童の寒稽古で、あっという間に終えてしまう。
- 皆は真冬の早朝練習を心配したが、寒冷地育ちの彼女には河童の寒稽古らしく、平然としていた。
分類
類義語
- 河童に水練
- 朝飯前
- お茶の子さいさい
- 赤子の手をひねるよう
対義語
- 難行苦行
- 骨が折れる
- 苦難