武士は桑名の焼蛤
読み方:ぶし は くわな の やきはまぐり
意味
武士は、たとえ空腹であっても、名物の焼き蛤さえ「食わな(桑名)」いで平然としている、というしゃれを含むことわざ。困窮していても弱みを見せず、体面や誇りを保とうとする武士の気風をいう。一般には「武士は食わねど高楊枝」と同趣旨である。
由来
三重県桑名の名物であった焼き蛤と、「桑名」を「食わな」と掛けた地口(しゃれ)である。桑名は伊勢湾産の蛤の産地として知られ、焼き蛤は名物だった。成立した正確な年代や初出は明確でない。
備考
「桑名」は三重県桑名市と「食わな」を掛けたしゃれ。現代の日常会話では比較的まれで、尾張いろはかるたや古風な表現として知られる。やせ我慢を必ずしも肯定する語ではない。
別表記
- 武士は桑名の焼き蛤
誤用・混同注意
- 桑名の焼き蛤を単に武士の好物・ぜいたく品だと解するのは誤り。『桑名』を『食わな』に掛け、空腹でも食べずに体面を保つ意をいう。
- 「武士は食わねど高楊枝」と同じく、実際に食べないこと自体を勧めることわざだと受け取るのは適切でない。主に誇りややせ我慢を表す。
例文
- 給料日前で昼食を抜いたが、彼は武士は桑名の焼蛤とばかりに、空腹を口にしなかった。
- 無理をしてまで平気な顔をするのは、まるで武士は桑名の焼蛤だ。
- 彼女は困っていることを誰にも言わないが、武士は桑名の焼蛤ではなく、必要なときは助けを求めたほうがよい。
分類
類義語
- 武士は食わねど高楊枝
- 痩せ我慢
対義語
- 腹が減っては戦はできぬ
- 花より団子
対比・対照ことわざ
- 武士は食わねど高楊枝
- 腹が減っては戦はできぬ
- 花より団子