柔能く剛を制す
読み方:じゅう よく ごうを せいす
意味
柔軟でしなやかなもの、または穏やかで臨機応変な対応は、硬く強いものに勝つことができるという意味。力で正面から対抗するだけでなく、相手の力を受け流したり状況に合わせて工夫したりすることの有効性をいう。
由来
中国の兵法書『三略』の上略にある「柔能制剛、弱能制強(柔よく剛を制し、弱よく強を制す)」に基づく。『三略』は太公望(姜子牙)作とも伝えられるが、成立は後漢末から魏晋期ごろ(2~3世紀ごろ)とみる説が有力である。日本では後半を省いて「柔よく剛を制す」として広く定着した。
備考
武道・スポーツだけでなく、交渉、人間関係、経営などにも用いる。「柔」は単なる弱さではなく、しなやかさ・柔軟さを指す。
別表記
- 柔よく剛を制す
- 柔能く剛を制し、弱能く強を制す
- 柔よく剛を制し、弱よく強を制す
- 柔能制剛、弱能制強
誤用・混同注意
- 「柔」を単なる弱さや消極性と解するのは不正確。ここでは、しなやかに対応して強い相手を制する力をいう。
- 「やわらかく ごうを せいす」ではなく、慣用的な読みは「じゅう よく ごうを せいす」である。
例文
- 相手の強い攻撃を受け流して勝った彼の試合は、まさに柔能く剛を制すだった。
- 交渉では強硬な態度を貫くより、柔能く剛を制すというように、柔軟な提案をするほうが事態を動かせることがある。
- 細い竹が風にしなって折れない姿を見ると、柔能く剛を制すという言葉を思い出す。
分類
類義語
対義語
- 剛よく柔を断つ
- 剛は柔を断つ
対比・対照ことわざ
- 剛よく柔を断つ
- 弱よく強を制す