月は欠けても月
読み方:つき は かけて も つき
意味
月は満ち欠けによって細く見えても、月そのものではなくなるわけではない、ということから、一時的に地位・財産・勢いなどを失っても、その人や物が本来もつ価値、品格、能力までは失われないというたとえ。
由来
月の満ち欠けを、人や物の本質的な価値にたとえた日本のことわざです。正確な初出や成立年は不明ですが、江戸時代に広まった上方(京都・大阪)のいろはかるたで「つ」の札として採用され、広く知られるようになりました。
備考
上方いろはかるたの「つ」の札。かつては家柄や身分にも用いられたが、現代では他者の出自を評価する文脈は避け、人格・技量などが一時の不遇で損なわれない意で使うのが無難。
誤用・混同注意
- 一度衰えた人や物が必ず元の地位・財産を取り戻す、という意味ではない。衰えても本質的な価値や品格は変わらない、という意味である。
- 月が欠けても見た目が変わらないという自然現象の説明ではなく、人や物の価値を月にたとえた表現である。
例文
- 事業に失敗して生活は苦しくなったが、彼の誠実さと仕事の腕は変わらない。月は欠けても月だ。
- 一時の不調で彼女の実力まで否定するのは早い。月は欠けても月というように、本来の力は失われていない。
- 家業は以前ほど栄えていないが、祖父は地域の人々に誠実に接してきた。まさに月は欠けても月である。
分類
類義語
- 腐っても鯛
- 麝香は小粒でも匂い高い