明日のことを思い煩うな
読み方:あす の こと を おもいわずらう な
意味
まだ起きていない将来のことを、必要以上に心配して苦しんではならないという教え。今日なすべきことに誠実に向き合えばよく、明日の問題まで今から背負い込む必要はない、という意味である。無計画でよいという意味ではない。
由来
新約聖書の「マタイによる福音書」第6章34節にあるイエスの教えに由来する。原典の同福音書は1世紀後半(およそ80~90年頃)に成立したとされる。日本では明治期の聖書翻訳、特に1880年刊行の明治元訳新約聖書などを通じて「明日の事を思ひ煩ふな」という形で広まり、格言として定着した。
備考
聖書由来の言葉であり、宗教的文脈のほか、将来不安を抱える人を励ます表現としても使われる。「計画や備えを不要とする教え」と受け取るのは適切ではない。
別表記
- 明日の事を思い煩うな
- 明日のことを思い煩ふな
- 明日の事を思ひ煩ふな
誤用・混同注意
- 「将来の計画や準備を一切してはいけない」という意味に解するのは誤り。将来への過度な不安にとらわれず、今日なすべきことに向き合うよう説く言葉である。
例文
- 結果が出る前から失敗した場合を考え続ける弟に、母は「明日のことを思い煩うな。まず今日できる勉強をしなさい」と言った。
- 将来への不安はあるが、「明日のことを思い煩うな」という言葉を思い出し、目の前の仕事に集中することにした。
- 災害後の生活再建は容易ではない。それでも彼は、明日のことを思い煩うなという気持ちで、一日ずつ暮らしを立て直した。
分類
類義語
- 明日は明日の風が吹く
- 案ずるより産むが易し
- 取り越し苦労