日光を見ずして結構と言うなかれ
読み方:にっこうを みずして けっこうと いうなかれ
意味
日光、とりわけ日光東照宮の建築や景観は非常に壮麗であるため、それを見ないうちから「これ以上に見事なものはない」「十分に立派だ」などと評価してはいけない、という意味。転じて、最高級のものを実際に見ずに物事を論じたり満足したりするな、というたとえにもなる。
由来
江戸時代前期、徳川家康を祀る日光東照宮が寛永13年(1636年)に大規模に造り替えられ、その華麗で精巧な社殿が広く賞賛されたことを背景に生まれたとされる。正確な初出文献や成立年は未詳だが、日光の壮麗さをほめる言い回しとして江戸時代から伝わる。
備考
「結構」は現代の「けっこうです(不要です)」ではなく、「非常に立派である・見事である」という古い意味。現在は日光東照宮の壮麗さを紹介する決まり文句として使われることが多い。
別表記
- 日光を見ずして結構と言うな
- 日光見ずして結構と言うなかれ
誤用・混同注意
- 「結構」を現代語の「不要である」「断る」という意味に取り、「日光を見ないほうがよい」という意味だと解釈するのは誤り。ここでは「非常に立派」という意味である。
- 日光の観光を命令・強制する言葉とだけ捉えるのは不十分で、日光東照宮の比類ない壮麗さをたたえる誇張表現である。
例文
- 「日光を見ずして結構と言うなかれ」というからには、次の旅行ではぜひ東照宮を訪れたい。
- 豪華な社寺を見て感心した祖父は、「それでも日光を見ずして結構と言うなかれ、だ」と笑った。
- この表現は、日光を見ずして結構と言うなかれというほど、日光の建築美が高く評価されてきたことを示している。