成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めず
読み方:せいじ は とかず、すいじ は いさめず、きおう は とがめず
意味
すでに成し遂げられた事柄をあれこれ論じたり、終わった事柄について人をいさめたり、過ぎ去ったことを責めたりしても益はない、という意味。取り返せない過去への非難に執着せず、これからどうするかに目を向けるべきだという教え。
由来
中国の古典『論語』の「八佾(はちいつ)篇」にある孔子の言葉。「成事不説、遂事不諫、既往不咎」が原文である。春秋時代後期(紀元前6〜5世紀ごろ)、哀公と宰我の会話を聞いた孔子が、すでに口にされ実行されたことを今さら責めても仕方がないという趣旨で述べたものとされる。『論語』自体は孔子の没後、戦国時代ごろに弟子・後学によって編纂された。
備考
「説かず」は「せつかず」ではなく「とかず」と読む。過去の検証や責任の所在を一切問うなという意味ではなく、取り返しのつかない事柄への無益な非難に執着しないという戒めである。
別表記
- 成事不説、遂事不諫、既往不咎
- 成事は説かず、遂事は諫めず、既往はとがめず
誤用・混同注意
- 「過去の失敗は反省・検証してはいけない」という意味に解するのは誤り。無益に過去を責め続けることを戒めた表現であり、将来のために教訓を得ることまで否定しない。
- 「説かず」を「せつかず」と読むのは誤りで、ここでは「とかず」と読む。
例文
- 会議が終わったあとで担当者の失言を責め続けても前には進まない。成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めずの姿勢で、次回の改善策を考えよう。
- 契約はすでに締結されたのだから、今さら誰が悪かったかを争っても仕方がない。成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めずというように、今後の対応に集中すべきだ。
- 前任者の判断を必要以上に非難するのではなく、成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めずとして、その経験を将来に生かすことが大切だ。