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慈悲は仏の種、恩愛は地獄の種

読み方:じひ は ほとけ の たね、 おんあい は じごく の たね

意味

他者をあわれみ苦しみを取り除こうとする慈悲の心は、仏の境地に至るための因となる。一方、家族・男女などへの情愛に執着する「恩愛」は、迷いや苦しみを生み、地獄に堕ちる因になるという仏教的な教え。ここでいう恩愛は、愛情そのものよりも、それにとらわれる執着を指す。

由来

仏教の無常観・執着を離れる思想に基づくことばである。「慈悲」を成仏へ向かう種、「恩愛」を迷いと苦しみを生む種にたとえて対比した。特定の初出文献や成立年は定説がなく、中世以降に日本で広まった仏教的な教訓句と考えられる。

備考

現代では「恩愛」を日常的にあまり用いない。仏教でいう恩愛は、親子・夫婦などの愛情や恩義に執着することをいう。愛情一般を否定する表現として受け取らない配慮が必要。

別表記

  • 慈悲は仏の種子、恩愛は地獄の種子
  • 慈悲は仏のたね、恩愛は地獄のたね

誤用・混同注意

  • 「恩愛」を単に『人への愛情』とだけ解し、家族愛や思いやりそのものを否定する教えだとするのは不正確。仏教的には、愛情・恩義への執着が迷いと苦しみを生むことを戒めている。

例文

  • 出家者である祖父は、俗世の執着を戒める言葉として「慈悲は仏の種、恩愛は地獄の種」とよく口にした。
  • この作品は、慈悲は仏の種、恩愛は地獄の種という仏教的な価値観を背景に、愛執の苦しみを描いている。
  • 「慈悲は仏の種、恩愛は地獄の種」というが、これは家族を大切にしてはいけないという意味ではなく、愛情への過度な執着を戒める教えだ。

分類

このことわざに使われている漢字