悪人の深情け
読み方
あくにん の ふかなさけ
意味
日頃は冷酷・乱暴で人情に乏しいと思われている人が、ふと示す親切や思いやりは、意外性もあってことさらに深く感じられる、ということ。また、そのような人にも強い人情があることをいう。
由来
特定の作者や書物を起源とすることは明確でなく、成立年・初出は不詳である。「悪人」と見なされる人にも時に深い人情が現れる、という世間の観察を表した日本語のことわざとして定着したものと考えられる。近世(江戸時代、17~19世紀)以降に用いられてきた語とされる。
分類・由来
備考
「悪人」は道徳的評価の強い語であり、本人に直接使うと侮辱的になりやすい表現である。実際の悪行を肯定する意味ではなく、意外な人情の深さをいう。
例文
- 映画では、非情な盗賊が子どもを逃がす場面が、悪人の深情けとして描かれている。
- 町で恐れられている男性が迷子を家まで送ったので、母親は悪人の深情けだと涙ぐんだ。
- 彼の意外な援助を悪人の深情けなどと茶化すのは、かえって失礼かもしれない。
類義語
対義語
- 冷酷無情
- 薄情
- 情け知らず