幽霊に足なし
読み方:ゆうれい に あし なし
意味
幽霊には足がなく、地面に立たずに宙に浮かぶものだという伝統的な見方を述べた句。怪談画などで幽霊の下半身や足元をぼかして描く表現をいう。かつては足の不自由な人をたとえる用法もあったが、侮蔑的になり得るため現代では避けるべきである。
由来
「幽霊は地に足をつけず、宙に浮かぶ」という日本の怪談や絵画における表象から生じた言い回し。足のない幽霊像が広く定着したのは江戸後期(18世紀後半〜19世紀)とされ、円山応挙の幽霊画を起点とする説がよく知られる。ただし、応挙が最初だったことや本句の初出年には確証がなく、正確な成立時期は不詳。尾張いろはかるたの「ゆ」の札としても伝わる。
備考
尾張いろはかるたの「ゆ」の札。日常会話で教訓として用いることは少なく、主に怪談・民俗・かるたの文脈で見られる。障害者へのたとえとしての使用は避ける。
別表記
- 幽霊に足はない
誤用・混同注意
- 円山応挙が足のない幽霊表現を初めて作ったと断定すること。応挙起源説は広く知られるが、確実な史実としては確認されていない。
例文
- 尾張いろはかるたの「ゆ」は、「幽霊に足なし」である。
- この掛け軸は下半身を霞ませて描かれており、「幽霊に足なし」という伝統的な幽霊像を思わせる。
- 子どもに「幽霊に足なしって、どうして?」と聞かれ、怪談の絵画表現に由来する考え方だと説明した。