巧者は労し、知者は憂う、無能者は求めず
読み方:こうしゃ は ろうし、 ちしゃ は うれう、 むのうしゃ は もとめず
意味
巧みな技術を持つ人はその技のために苦労し、知恵のある人は物事の先行きや問題を考えて心配する。一方、能力もなく何も求めない人には、そうした苦労や心配がない、という意味。才能や知識には責任や憂いが伴うことをいう。
由来
中国の思想書『荘子』の「列禦寇(れつぎょこう)」篇にある「巧者勞而知者憂、無能者無所求」に由来する。『荘子』は戦国時代から前漢初期ごろ、紀元前3世紀前後に成立・編集されたとされる。日本では漢文訓読を通じて、才知のある者の労苦を述べる警句として定着した。
備考
「無能者」は現代では強い否定的な響きを持つため、他人を評する語としては慎重に用いる。「求めず」は、欲望・目的・仕事などを積極的に求めない意。
例文
- 細部まで問題を見通せる部長がいつも対応に追われているのを見ると、「巧者は労し、知者は憂う、無能者は求めず」という言葉を思い出す。
- 責任ある立場の人ほど悩みが多いという話題で、彼は「巧者は労し、知者は憂う、無能者は求めず」と古典の句を引用した。
- この言葉は、能力のない人を単に非難するのではなく、知恵や技術を持つ者には労苦と憂慮が伴うという文脈で用いられる。
分類
類義語
- 才ある者は苦労する
- 知者は憂う
- 能ある者ほど心労が多い