山の神は女嫌い
読み方:やまのかみ は おんなぎらい
意味
山の神は女性を嫌う、または女性が山に入ると山の神の怒りに触れるという、古くからの山岳信仰・民間信仰を表す言葉。その信仰を根拠として、狩猟・林業・鉱山・修験の山などで女性の入山を禁じる「女人禁制」の慣習が生まれた地域があった。現代では事実や当然の規範としてではなく、過去の信仰や性差別的慣行を説明する文脈で用いられることが多い。
由来
日本の山岳信仰や山の仕事に関わる民間信仰に由来する。成立時期を特定できる単一の典拠はないが、中世以降、修験道の霊山、鉱山、林業・狩猟の山などで女性の入山を忌む習俗が各地に見られ、近世(江戸時代)には「山の神は女嫌い」という形でも広く語られた。山の神を女神とみなし、女性を嫉妬すると説明する伝承もあるが、理由や内容は地域・職能集団によって異なる。
備考
女性を排除する慣習を正当化する表現として用いられてきたため、現代の日常会話で無批判に使う際には注意が必要。山の神への信仰は地域により多様で、女性を守護神・豊穣神として祀る例もある。
別表記
- 山の神は女を嫌う
- 山の神は女を忌む
誤用・混同注意
- 山岳信仰一般で必ず女性が排除されていたという意味ではない。女人禁制の有無や、その理由づけは地域・時代・山の用途によって異なる。
- 現代において女性が山へ入ってはいけないという実際的な規則や、女性一般への評価を表す言葉として用いるのは不適切である。
例文
- この地方には、かつて「山の神は女嫌い」として女性の入山を制限した歴史がある。
- 民俗学の授業では、「山の神は女嫌い」という言い伝えと女人禁制の習俗について学んだ。
- 祖父は山仕事の際に「山の神は女嫌いだから昔は女の人を山へ連れて行かなかった」と話していた。
分類
類義語
- 女人禁制
- 山の神は女を忌む