宗教は民衆の阿片である
読み方:しゅうきょう は みんしゅう の あへん である
意味
宗教は、苦しみや抑圧のある社会で人々に慰めや救いを与える一方、その苦しみの根本原因を見えにくくし、現実を変えようとする力を弱める働きもする、というマルクスの批判的な見解。単に「宗教は害悪だ」とだけ述べた言葉ではない。
由来
ドイツの思想家カール・マルクスが、1843年に執筆し1844年に発表した「ヘーゲル法哲学批判序説」で述べた言葉に由来する。原文は「宗教は抑圧された生き物のため息、心なき世界の心であり、民衆の阿片である」という文脈の一部である。
備考
マルクスの宗教批判を象徴する引用句。阿片は苦痛を和らげる一方で現実認識を鈍らせうるものの比喩であり、宗教を単純に「無価値」と断じた表現ではない。
別表記
- 宗教は民衆のアヘンである
- 宗教は人民の阿片である
- 宗教は人民のアヘンである
誤用・混同注意
- 「マルクスは宗教を完全に無価値・有害なものとだけ見なした」という解釈は不正確。原文では宗教を、苦しむ人々の『ため息』や『心なき世界の心』とも表現している。
- レーニンの言葉としてのみ帰すのは誤り。この表現の原典はマルクスの「ヘーゲル法哲学批判序説」である。
例文
- 彼はこの政策を批判して、「宗教は民衆の阿片である」というマルクスの言葉を引き、精神的慰めだけでは社会問題は解決しないと主張した。
- この言葉を使うなら、宗教を一方的に否定する意味ではなく、当時の社会的苦痛との関係を踏まえる必要がある。
- 授業では「宗教は民衆の阿片である」という一節を読み、マルクスの宗教観について議論した。
分類
類義語
- 宗教は民衆のアヘンである
- 宗教は人民の阿片である
- 宗教は人民のアヘンである
対義語
- 宗教は民衆の精神的支柱である