女子と小人とは養い難し
読み方:じょし と しょうじん と は やしないがたし
意味
女性と小人、すなわち度量や徳の低い人物は、近づけすぎるとつけ上がって礼を欠き、遠ざけすぎると恨むため、適切に扱うのが難しいという意味。『養う』は生活を扶助することではなく、身近に置いて扱う・統御することをいう。現在では女性を一括りにしており、差別的な表現として扱いに注意が必要である。
由来
中国古典『論語』の「陽貨」篇にある孔子の言葉「唯女子與小人為難養也。近之則不孫、遠之則怨」(ただ女子と小人とは養い難し。これを近づくればすなわち不孫、これを遠ざくればすなわち怨む)に基づく。孔子は紀元前551~479年ごろの人物で、『論語』はその弟子・後学によって戦国時代(おおむね紀元前4~3世紀ごろ)に編集されたとされる。
備考
『論語』由来の古い表現であり、現代の価値観では女性を一括りにして低く扱う差別的な含意をもつ。日常的な評価語としての使用は避け、古典の引用として文脈を明示するのが望ましい。
別表記
- 女子と小人は養い難し
- 女子と小人とは養いがたし
- 女子小人は養い難し
誤用・混同注意
- 「養い難し」を『生活費を与えて扶養しにくい』という意味に取るのは誤り。ここでは身近に置いて扱う・統御することが難しいという意味である。
- 「小人」を子どもや背の低い人の意味に解するのは誤り。原義は、君子に対する語で、徳や度量が乏しい人物を指す。
- 「女子」を現代語の『女子生徒・若い女性』だけを指す語とするのは不正確。原典では一般に女性を指す表現であり、現代では差別的な一般化として問題視される。
例文
- 部下を必要以上に甘やかしても、冷たく突き放しても不満が出る。古くは「女子と小人とは養い難し」といわれたが、今の職場でそのまま口にするのは不適切だ。
- この句の「養い難し」は、生活費を与えにくいという意味ではなく、人との距離を適切に保ちながら扱うことの難しさを表す。
- 『女子と小人とは養い難し』という言葉を引用する際は、原典の時代背景と、現代では女性差別的に受け取られる表現である点を説明したほうがよい。
分類
類義語
- 近づけば不遜、遠ざかれば怨む
対比・対照ことわざ
- 君子は和して同ぜず