君子は道を憂えて貧を憂えず
読み方:くんし は みち を うれえて ひん を うれえず
意味
徳を身につけ正しい道を実践しようとする君子は、生活が貧しいことそのものを心配しない、という意味。目先の金銭や物質的な不足よりも、学問・道徳・信義を守ることを大切にすべきだという教えである。
由来
中国の儒教経典『論語』衛霊公篇にある孔子の言葉「君子憂道不憂貧」に由来する。孔子は紀元前551年頃~紀元前479年の人物で、『論語』はその没後、戦国時代(おおむね紀元前4~3世紀頃)に弟子たちによって編集・成立したとされる。日本では漢文の教養として受容され、格言として定着した。
備考
「君子」は人格・教養の備わった理想的人物を指す儒教語。貧困の苦しみを否定したり、困窮者に我慢を強いたりする表現ではなく、道義を利益より優先するという倫理的な教えとして用いる。
例文
- 収入が減っても不正な手段には頼らない。君子は道を憂えて貧を憂えずという姿勢を貫きたい。
- 彼は研究費の少なさを嘆くより、学問の本質を見失わないことを優先した。まさに「君子は道を憂えて貧を憂えず」という姿勢である。
- 生活の苦しさを軽んじるべきではないが、君子は道を憂えて貧を憂えずという言葉は、信念を売らない大切さを教えている。
分類
類義語
- 安貧楽道
- 君子は道を謀りて食を謀らず
- 君子は義に喩り、小人は利に喩る
対義語
- 貧を憂えて道を憂えず
- 衣食足りて礼節を知る