君子は憂えず懼れず
読み方:くんし は うれえず おそれず
意味
徳を身につけ、日ごろから自分の行いを反省して、やましいところのない君子は、心配事に悩んだり、何かを恐れたりしないという意味。単に「強くて怖がらない」ということではなく、正しい行いに基づく心の平安をいう。
由来
中国の儒教書『論語』「顔淵」篇にある孔子の言葉。司馬牛が君子について尋ねた際、孔子が「君子不憂不懼(君子は憂えず懼れず)」と答えた。さらに、その根拠を「内省して疚しからずんば、何をか憂え何をか懼れん」と説いている。『論語』は孔子(紀元前551~前479年)の言行を弟子たちが伝え、戦国時代ごろ(紀元前4~3世紀ごろ)までに成立したとされる。
備考
「懼れず」は「おそれず」と読む。「憂えず」は悲しまないというより、不安や心配にとらわれない意。現代では、道徳的な潔白さや良心の平安を強調する文脈で用いる。
例文
- 不正をせず誠実に仕事をしてきたのだから、結果を待つ間も君子は憂えず懼れずという気持ちでいよう。
- 批判を受けても、自分の判断を十分に検証してやましい点がなければ、『君子は憂えず懼れず』という心構えで進めばよい。
- 彼は失敗を隠さず責任を果たした。君子は憂えず懼れずとは、こうした日々の誠実さから生まれるのだろう。
分類
類義語
- 君子坦蕩蕩
- 内省して疚しからずんば、何をか憂え何をか懼れん
- 心にやましいことがなければ恐れることはない
対義語
- 小人長戚戚
- 後ろめたいことがあって不安に思うこと
- 戦々恐々