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割殻食わぬ上人なし

読み方:わりから くわぬ しょうにん なし

意味

徳が高く、世俗の欲を離れたように見える上人(高僧)でさえ、粗末な食べ物を食べて生きる。転じて、どんなに立派・清廉そうな人にも人間としての欲や弱みがあり、完全に俗欲を免れた人はいない、というたとえ。

由来

「割殻」は、米を搗く際に出る砕けた米・粗末な食物を指す語とされる。高僧であっても食べて生きる以上、欲望や俗世との関わりを完全には断てないという見方から生まれた表現である。ことわざ自体の正確な初出・成立年は未詳だが、江戸時代に伝わった尾張いろはかるたの「わ」の札として知られる。

備考

「上人」は徳の高い僧を敬っていう語。「割殻」は砕けた米などの粗末な食物をいう。現代の日常会話ではまれで、人の欲を皮肉る響きもあるため、相手を非難する場面では注意が必要。

別表記

  • 割り殻食わぬ上人なし
  • 割殻を食わぬ上人なし
  • 割り殻を食わぬ上人なし

補足

  • 「上人」を単に『上の人・目上の人』と解するのは誤り。ここでは徳の高い僧、高僧を指す。
  • 『どんな僧も粗末な食事しか取れない』という意味ではない。人間なら誰にも欲や弱みがあることをいう。

例文

  • 修行僧のように質素な暮らしをする祖父も、温かい御飯が出ると誰よりも喜ぶ。割殻食わぬ上人なしというものだ。
  • あの厳格な先生も、好きな甘味の前では顔がほころぶ。割殻食わぬ上人なしで、誰にでも人間らしい欲はある。
  • 彼は名誉には無関心だと言うが、表彰されればやはりうれしそうだった。割殻食わぬ上人なしだね。

分類

類義語

対義語

対比・対照ことわざ

このことわざに使われている漢字