兵は神速を尊ぶ
読み方:へい は しんそく を たっとぶ
意味
軍事行動では、敵が備えを整える前に、神業のように素早く行動することが重要である、という意味。転じて、好機を逃さず、迅速な決断と実行によって相手の意表を突くべきだという教えとして用いる。ただし、単に慌てて行動すればよいという意味ではない。
由来
中国の歴史書『三国志』魏志・郭嘉伝にある「兵貴神速(兵は神速を貴ぶ)」に基づく。後漢末の建安12年(207年)ごろ、曹操が烏丸を討とうとした際、軍師の郭嘉が、敵の不意を突くため輜重を残して軽装の軍で急行すべきだと進言した言葉とされる。日本ではこれを訓読して「兵は神速を尊ぶ」といった。
備考
本来は戦略・軍事に関する語で、「神速」は非常に速いことをいう。現代ではビジネスや危機対応にも比喩的に用いるが、性急で無計画な行動を勧める言葉ではない。
別表記
- 兵は神速を貴ぶ
- 兵貴神速
誤用・混同注意
- 「とにかく急げばよい」という意味ではない。原義は、敵が備えないうちに機を捉えて迅速に行動し、意表を突く軍事上の戦略をいう。
例文
- 競合他社が新製品を発表する前に市場へ投入した。兵は神速を尊ぶという判断だった。
- 災害時の救助では、兵は神速を尊ぶというように、初動の速さが人命を左右する。
- 相手が対策を練る前に交渉案を提示しよう。兵は神速を尊ぶ、というわけだ。