仏法に明日なし
読み方:ぶっぽう に あす なし
意味
仏道の修行や仏法を聞き学ぶことを、「明日になってから」と先延ばしにしてはならないという教え。人の命は無常であり、明日も生きて修行できるとは限らないため、気づいた今この時に実践すべきだ、という意味である。
由来
仏教の根本的な無常観、すなわち人の命や世の中は常に移り変わり、明日を確実に迎えられるとは限らないという考えに基づく禅語・仏教的な教訓である。禅宗で広く用いられてきた表現だが、この簡潔な形の初出資料や成立年は明確ではない。中世以降の日本の禅林で定着したと考えられる。
備考
日常の仕事を急がせる語というより、無常を自覚して仏道修行・善行を直ちに行うよう促す仏教的な言葉である。一般には比喩的に、物事を先延ばしにしない戒めとしても用いられる。
別表記
- 仏法に明日はない
- 仏法に明日無し
誤用・混同注意
- 単に「明日の予定を立ててはいけない」という意味ではない。無常を踏まえ、修行や善行を先延ばしにせず今行うべきだという教えである。
例文
- 祖父の法話で「仏法に明日なし」と聞き、写経をいつか始めようと思っていた自分を反省した。
- 人のためにできることを先延ばしにしないのも、仏法に明日なしという教えに通じる。
- 師は弟子たちに、仏法に明日なしなのだから、悟りを求める修行は今日から始めなさいと説いた。