仏の餅より己の餅
読み方:ほとけの もちより おのれの もち
意味
仏に供える餅よりも、自分が食べて役に立つ餅のほうが大切だということ。人は他人や信仰のためのことより、まず自分自身の生活・利益・必要を優先しがちである、という人情を表す。利己的な態度をやや皮肉にいう場合もある。
由来
正確な初出や成立年は未詳である。江戸時代には、上方で用いられた「いろはかるた」の「ほ」の札として知られ、広まったとされる。仏への供え物よりも自分の食べ物を重んじる、庶民の現実的な感覚から生まれた表現である。
備考
仏教を否定したり、供え物を無意味だとしたりする言葉ではない。人が自分の暮らしや利益を優先しやすいという現実を、やや皮肉に表す。上方いろはかるたの「ほ」の札としても知られる。
別表記
- 佛の餅より己の餅
誤用・混同注意
- 仏への供え物や信仰そのものを否定することわざだと解釈するのは適切ではない。人が自分の必要や利益を優先しがちなことを表す。
- 「花より団子」と完全に同じ意味だとするのは不正確。「花より団子」は実用性を重んじる意味が中心で、本句は自己の利益・生活の優先に重点がある。
例文
- 生活が苦しい人にまで寄付を強いることはできない。仏の餅より己の餅という面もある。
- 災害時に彼がまず家族の食料を確保したのを責めるのは難しい。仏の餅より己の餅ということだ。
- 皆のための仕事より自分の利益を優先する彼を見て、仏の餅より己の餅だなと思った。
分類
類義語
対義語
- 我が身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
- 情けは人のためならず
対比・対照ことわざ
- 我が身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
- 情けは人のためならず