仁に当たりては師にも譲らず
読み方:じん に あたりては し にも ゆずらず
意味
仁、すなわち人を思いやり正しい行いをすることに関しては、たとえ自分の師であっても遠慮して譲るべきではない、という意味。道徳的に正しいことを実行する責任は、立場や年齢、師弟関係によって放棄してはならないことをいう。
由来
中国の古典『論語』「衛霊公(えいれいこう)」篇にある孔子の言葉「当仁、不譲於師(仁に当たりては、師にも譲らず)」に由来する。孔子は紀元前551年頃~紀元前479年頃の人物で、『論語』はその弟子たちが孔子の没後から戦国時代にかけて編集・成立したと考えられている。
備考
「師を敬わなくてよい」という意味ではない。仁義・道徳にかなう行為をすべき場面では、権威や師弟関係に遠慮して正しさを譲ってはならない、という教えである。
例文
- 不正な処理に気づいた以上、仁に当たりては師にも譲らずと考え、恩師の提案であっても反対意見を述べた。
- 医師として患者を守るべき場面では、仁に当たりては師にも譲らず、上司の判断をうのみにしなかった。
- 彼は仁に当たりては師にも譲らずの精神で、尊敬する先輩に対しても、弱い立場の人を傷つける発言にはきっぱり異を唱えた。
分類
類義語
- 義を見てせざるは勇無きなり
- 君子は義に喩る
- 当仁不譲