井水河水を犯さず
読み方:せいすい かすいを おかさず
意味
井戸水と川の水は本来交わらず、それぞれ別の場所を流れることから、双方が自分の領分にとどまり、互いの仕事・生活・権限などに干渉しないことをいう。争いを避けるために距離を置く場合にも、無関心でよそよそしい関係を表す場合にも使う。
由来
中国の「井水不犯河水(井戸水は川の水を侵さない)」に由来する漢語的なことわざ。井戸水と川の水が互いの領域を侵さないという比喩から生まれた。清代の小説『紅楼夢』(18世紀)にも用例が見られるが、ことわざ自体の成立時期や日本へ伝来した正確な時期は不詳である。日本では漢文訓読の形で「井水河水を犯さず」として定着した。
備考
やや硬く漢文調の表現で、日常会話では「互いに干渉しない」「不干渉である」などと言い換えることが多い。「犯す」はここでは「領分を侵す・害する」の意。
別表記
- 井水河水相犯さず
誤用・混同注意
- 「犯す」を単に犯罪を行う意味に限定して解釈するのは不適切。ここでは互いの領域・権限を侵す、干渉するという意味である。
- 「井水河水を交えず」などとするのは一般的な定型ではない。標準的には「井水河水を犯さず」という。
例文
- 両部署は担当分野が明確に分かれており、井水河水を犯さずに業務を進めている。
- 近所とは、互いの生活に踏み込みすぎず、井水河水を犯さずという距離感で付き合っている。
- 二社は市場をすみ分け、長年、井水河水を犯さずに営業してきた。
分類
類義語
- 不干渉
- 相互不干渉
- 我関せず
- 水と油
対義語
- 相互扶助
- 持ちつ持たれつ
- 呉越同舟
対比・対照ことわざ
- 持ちつ持たれつ
- 呉越同舟