一尺の短きは一寸の長きに如かず
読み方
いっしゃく の みじかき は いっすん の ながき に しかず
意味
どれほど大きく見える短所や欠点があっても、わずかな長所・取り柄がそれを上回ることがある、という意。人や物を短所だけで切り捨てず、それぞれの持ち味や役立つ面を認めるべきだという教えである。原型の表現には、あらゆる物事には長所と短所の両方があるという意味合いもある。
由来
中国の古典『楚辞』の「卜居」にある「尺有所短、寸有所長(尺にも短いところがあり、寸にも長いところがある)」が原型とされる。「卜居」は戦国時代、紀元前3世紀ごろの屈原に仮託される篇である。この思想が日本で訓読され、「一尺の短きは一寸の長きに如かず」という形でも用いられるようになった。現行の和文の形が定着した時期は明確ではない。
分類・由来
備考
「尺」は約30cm、「寸」は約3cmの伝統的な長さの単位。現代の日常会話ではやや硬く古風な表現であり、文章・訓話・人材評価などで用いられる。短所を無視する意味ではなく、長所にも目を向けるという趣旨。
例文
- 新人には経験不足という短所があるが、発想力という長所もある。一尺の短きは一寸の長きに如かずという視点で育てよう。
- 彼は話し方に少し癖があるものの、顧客の信頼を得る力は抜群だ。一尺の短きは一寸の長きに如かず、と部長は評価した。
- 採用では欠点ばかりを数えるのではなく、「一尺の短きは一寸の長きに如かず」を念頭に、その人ならではの強みを見るべきだ。