ダモクレスの剣
読み方:だもくれす の つるぎ
意味
一見すると富・権力・幸福に恵まれた立場にあっても、その背後には常に大きな危険や不安が迫っていることのたとえ。特に、権力者や成功者が抱える不安定さ、いつ失われるかわからない地位を表す。
由来
古代ギリシアの僭主ディオニュシオスに仕えたダモクレスの逸話に由来する。ダモクレスが王の幸福をうらやむと、ディオニュシオスは彼を豪華な席に座らせ、その頭上に馬の毛一本で剣をつるした。権力者の幸福には常に危険が伴うことを示した話で、紀元前45年ごろにキケロが著した「トゥスクルム荘対談集」に記されている。
備考
「今にも起こりうる重大な危険」の比喩として、政治・国際関係・経営・技術リスクなどで用いられる。単なる不運ではなく、栄誉や権力と表裏一体の不安を含む表現である。
別表記
- ダモクレスのつるぎ
- ダモクレースの剣
- ダモクレースのつるぎ
誤用・混同注意
- 単に「不幸な出来事」や「すでに起きた災難」の意味で使うのは不正確。主に、地位や繁栄の背後に常に迫る潜在的な危険をいう。
- 逸話中の剣は実際に落下したわけではなく、馬の毛一本でつるされ、権力者の不安を象徴している。
例文
- 社長の座は華やかに見えるが、業績悪化の責任を常に負うダモクレスの剣のような立場でもある。
- 情報漏えいの危険は、企業がデジタル化を進めるうえで頭上のダモクレスの剣となっている。
- 戦争の拡大というダモクレスの剣がつり下がるなかで、各国は慎重な外交交渉を続けた。
分類
類義語
対義語
- 安泰
- 平穏無事