あずり貧乏
読み方:あずり びんぼう
意味
他人の商品を預かって売る「あずり」の商いだけでは利益が薄く、反対に商品をむやみに買い込んでも資金や在庫を抱えて困窮する、という意味。商売では仲介任せや過度の仕入れに偏らず、資金繰りと適切な利益を考えるべきだという戒めである。
由来
尾張地方で伝わった尾張いろはかるたの「あ」の札として知られる句「あずり貧乏に買い貧乏」に由来する。「あずり」は、他人の商品を預かって売ること、またはその商いをいう。作者・正確な成立年は不明だが、尾張いろはかるたは江戸時代後期ごろに成立・流布したとされる。
備考
古い商業語を含むため、現代の日常会話ではあまり用いられない。「仲介業や仕入れ商が必ず貧乏になる」という断定ではなく、商いの偏りや無計画な仕入れへの戒めである。
別表記
- あずり貧乏に買い貧乏
- 預り貧乏に買い貧乏
誤用・混同注意
- 「あずり」を単に物を預かる意味とだけ解し、他人の商品を預かって売る商いという原義を見落とすこと。
- 仲介業や商品の仕入れそのものを否定することわざだと解すること。
例文
- 自社の商品を持たず、手数料だけの仲介に頼り切っていては、あずり貧乏になりかねない。
- 仕入れを増やせばよいというものではない。あずり貧乏に買い貧乏というから、在庫と資金繰りをよく見よう。
- 祖父は問屋仕事を始める私に、「あずり貧乏に買い貧乏だぞ」と、商いの難しさを説いた。