論点先取
読み方
ろんてん せんしゅ意味
証明すべき結論や、まさに争点となっている前提を、すでに正しいものとして議論の中に取り込んでしまう論理上の誤り。結論を根拠で支えるように見せながら、実際には同じ主張を言い換えているだけの議論を指す。由来
西洋論理学の用語で、ラテン語 petitio principii(原理を求めること)や英語 begging the question の訳語に当たる。概念は古代ギリシアのアリストテレス『分析論前書』など、紀元前4世紀ごろの論理学にさかのぼる。日本語の「論点先取」は明治以降、西洋論理学の受容・翻訳の過程で定着したと考えられるが、正確な初出年は不明。備考
日常語よりも論理学・哲学・批判的思考で使われる専門的表現。「問題提起」の意味で使う英語 begging the question との混同に注意。例文
- 「この規則は正しい。なぜなら規則で決まっているからだ」という説明は、論点先取になっている。
- 彼の主張は、神の存在を証明すると言いながら神の存在を前提にしており、論点先取だと批判された。
- 商品の安全性を示すには実験データが必要で、「安全だから安全だ」という答えでは論点先取にすぎない。
- 討論では、相手が認めていない前提を当然のものとして話を進めると、論点先取と見なされることがある。
- その論文は結論を先に仮定して証拠を解釈しているため、論点先取の疑いがある。
類義語
- 循環論法
- 循環論証
- 結論先取
- 先決問題要求
- 乞題
- 論点先取の虚偽
対義語
- 妥当な論証
- 健全な論証
- 正当な証明
- 直接証明