綱常名教
読み方
こうじょう めいきょう意味
儒教で重んじられる、人が守るべき根本的な道徳・社会秩序・身分上のつとめをいう語。君臣・父子・夫婦などの関係における倫理や、仁義礼智信などの徳目を尊び、それによって社会を保つべきだとする考えを指す。由来
「綱常」は儒教における人倫の大綱と常に守るべき徳目、すなわち三綱五常を指す。「名教」は名分を正し、人を礼義で教化するという意味。三綱五常の体系は前漢(紀元前2〜前1世紀ごろ、董仲舒らの時代)に整ったとされるが、「綱常名教」という成句そのものの初出年は不詳。中国の儒教思想語として用いられ、日本では江戸時代の儒学・朱子学的な文脈でも理解された。備考
現代の日常会話ではほとんど使われず、歴史・思想史・儒教研究の文脈で用いられる。封建的・家父長的秩序を含意する場合がある。例文
- 江戸時代の武家社会では、綱常名教を重んじる教育が行われた。
- その思想家は、社会の安定には綱常名教の回復が必要だと説いた。
- 近代化の過程で、綱常名教に基づく身分秩序はしだいに批判されるようになった。
- この小説には、綱常名教に縛られて自由に生きられない人物が描かれている。
- 綱常名教という語を理解するには、三綱五常や名分論など儒教の基本概念を知る必要がある。
類義語
- 三綱五常
- 名分道徳
- 儒教道徳
- 礼教
- 人倫の道
対義語
- 綱紀紊乱
- 礼崩楽壊
- 倫理崩壊
- 無道無法