無我無私
読み方
むが むし意味
自分の我意や欲望、私心を捨て、自己の利益にとらわれずに物事に向かうこと。自分を優先せず、公平で献身的な態度を表す。宗教的・道徳的な文脈では、自己への執着を離れた清らかな心境をいう。由来
「無我」は仏教で説かれる「固定的な自己はない」という思想に由来し、サンスクリット語 anātman の漢訳として中国で用いられ、日本には仏教伝来以後、飛鳥~奈良時代(6~8世紀ごろ)に広まった。「無私」は中国古典に見える「私心がない」意。両語を重ねた「無我無私」としての成立時期は不明だが、漢語的表現として近世以降の日本語で道徳・精神修養の語として用いられるようになったと考えられる。備考
宗教・倫理・人物評価で使われる硬い表現。称賛の語だが、自己犠牲を美化する響きもあるため、現代では文脈に注意。例文
- 彼は無我無私の精神で、被災地の支援活動に何年も携わっている。
- 指導者には、名誉や利益に惑わされない無我無私の姿勢が求められる。
- 無我無私で研究に打ち込む彼女の姿は、多くの学生の模範となった。
- 祖母はいつも家族のために尽くし、その生き方はまさに無我無私だった。
- 公正な判断を下すには、個人的な感情を離れた無我無私の心が必要だ。
類義語
- 無私無欲
- 滅私奉公
- 公平無私
- 大公無私
- 無我無心
対義語
- 我利我利
- 私利私欲
- 利己主義
- 我田引水
- 自己中心