沈鬱頓挫
読み方
ちんうつ とんざ意味
詩文・文章・音楽などの調子が、深く重々しい情感を含みながら、抑揚や緩急、起伏に富んでいること。単に気分が暗いという意味ではなく、沈んだ深みと力強い変化を備えた表現を評する語。由来
中国・唐代の詩人杜甫の文章「進雕賦表」に見える「至於沈鬱頓挫、隨時敏捷」に由来するとされる。8世紀ごろの語で、のちに杜甫の詩風を評する言葉として広まり、日本でも漢詩文や文学評論で用いられるようになった。備考
主に文学・詩文の批評語。日常会話ではほとんど使わない。「沈鬱」は暗さ、「頓挫」は抑揚・起伏を表し、事業の中断の意味ではない。例文
- 杜甫の詩には、沈鬱頓挫たる響きがあり、読む者に深い余韻を残す。
- この小説の終盤は沈鬱頓挫の筆致で、主人公の苦悩が重厚に描かれている。
- 彼の朗読は単調ではなく、沈鬱頓挫の趣をもって聴衆を引き込んだ。
- 戦争を扱ったその詩集は、全体に沈鬱頓挫として、軽々しく読み流せない。
- 評論家は、作者の文体を沈鬱頓挫と評し、その深い感情表現を高く評価した。
類義語
- 抑揚頓挫
- 沈痛悲壮
- 重厚深遠
- 雄渾蒼古
対義語
- 軽妙洒脱
- 平明流暢
- 単純明快
- 軽快流麗