悪人正機
読み方
あくにん しょうき意味
浄土真宗で、阿弥陀仏の本願によって救われる真の対象は、自分の力では悟りに至れない罪深い凡夫、すなわち「悪人」であるとする考え。ここでの悪人は犯罪者だけでなく、煩悩を抱えた人間一般を指す。悪を肯定する意味ではない。由来
鎌倉時代(13世紀)の浄土教、とくに親鸞(1173〜1263)の教えとして知られる。『歎異抄』第三条の「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」という思想に基づく。語の成立時期は厳密には不明だが、親鸞の思想を後世に「悪人正機」「悪人正機説」と整理して呼ぶようになった。備考
仏教・浄土真宗の専門語として用いられる。日常会話では少ないが、文学・思想・宗教史の文脈で重要。悪の容認ではなく、他力による救済を説く語。例文
- 親鸞の悪人正機は、弱さを抱えた人間こそ救いの対象であると説く教えだ。
- 悪人正機を、悪事をしてもよいという意味に誤解してはいけない。
- 授業では『歎異抄』を読みながら、悪人正機の思想を学んだ。
- 彼は悪人正機の考えに触れ、自分の罪深さを見つめ直すようになった。
- 悪人正機は、善行を積んだ者だけが救われるという発想を大きく転換した。
類義語
- 悪人正機説
- 凡夫救済
- 他力本願
- 悪人成仏
対義語
- 善人正機
- 自力作善