悉皆成仏
読み方
しっかい じょうぶつ意味
すべての存在・衆生が、最終的には悟りを開いて仏になることができる、または仏となるという仏教の考え方。人間だけでなく、場合によっては草木や国土までも仏性を持つと見る、大乗仏教的な救済観を表す。由来
仏教語。「悉皆」は「ことごとく、みな」、「成仏」は「悟りを開いて仏になること」を意味する。大乗仏教の「一切衆生に仏性がある」という思想に基づき、漢訳仏典や中国仏教で用いられた表現に由来する。成立・初出の厳密な年代は不明だが、関連思想は4〜5世紀頃の漢訳『大般涅槃経』などに見られ、日本には仏教伝来後、奈良時代以降の仏教思想として広まった。備考
日常会話よりも仏教・思想史・文学研究で使われる語。特に天台宗の本覚思想や「草木国土悉皆成仏」と結び付けて語られることが多い。例文
- この寺の教えは、どんな人にも救いの可能性があるという悉皆成仏の思想に基づいている。
- 僧侶は法話の中で、悉皆成仏とは他者を見捨てない仏教的なまなざしだと説明した。
- 天台本覚思想では、草木国土にまで仏性を認める悉皆成仏の考え方が重視された。
- 彼は失敗した人を責めるのではなく、悉皆成仏の精神で再出発を支えようとした。
- 悉皆成仏という言葉を知ってから、仏教美術に描かれた衆生救済の場面の意味が少し分かった。
類義語
- 一切衆生成仏
- 皆成仏道
- 草木成仏
- 悉有仏性
対義語
- 一闡提不成仏
- 永劫沈淪
- 不成仏