因地倒地
読み方
いんち とうち意味
倒れたその地面を頼りにして起き上がる、という意味。転じて、失敗・苦悩・迷いの原因となったものを、逆に立ち直りや悟りの手がかりにすること。仏教・禅では、煩悩や迷いも修行の契機になり得るという含意で用いられる。由来
中国仏教・禅の成句「因地而倒、因地而起(地に因りて倒れ、地に因りて起つ)」に基づく語とされる。具体的な初出年は不詳だが、宋代以降の禅籍に見える思想が日本にも禅の受容とともに中世以降伝わり、四字熟語として用いられるようになった。備考
日常会話ではかなり硬く、仏教・禅の文脈で見かける語。単なる「立ち直り」より、倒れた原因そのものを手がかりにする点が特徴。例文
- 失恋の痛みを避けるのではなく、自分を見つめ直す契機にするのが因地倒地の考え方だ。
- 事業の失敗で失った信用は、同じ現場で誠実に働き直すことで回復するしかない。まさに因地倒地である。
- 彼は試験に落ちた原因を徹底的に分析し、その弱点克服によって合格を勝ち取った。因地倒地の好例だ。
- 人間関係でつまずいたなら、その関係から逃げるだけでなく、対話の中で学ぶことも因地倒地と言える。
- 禅の老師は、煩悩をただ否定せず、それを修行の糧にする因地倒地の道を説いた。
類義語
- 七転八起
- 禍を転じて福と為す
- 失敗は成功の母
- 煩悩即菩提
対義語
- 一蹶不振
- 再起不能
- 泣き寝入り