呑舟之魚
読み方
どんしゅう の うお意味
舟を呑み込むほどの大きな魚。転じて、凡人の尺度に収まらない大人物・傑物、または法や組織の網から漏れがちな大悪人・大物のたとえ。単に巨大な存在や、扱いにくい「大物」を指すこともある。由来
中国古典に由来する語。『荘子』外篇「庚桑楚」(成立年代は厳密には不明だが、戦国時代末期から前漢初期、紀元前4~前2世紀ごろに形成)に「吞舟之魚、碭而失水、則螻蟻能苦之」と見え、舟を呑むほどの大魚でも水を失えば蟻に苦しめられると説く。また『史記』酷吏列伝(前1世紀ごろ)にも「網、吞舟之魚を漏らす」の趣旨の表現があり、大悪人・大物を指す比喩としても広まった。備考
「呑」は「吞」とも書く。「呑舟の魚」と仮名交じりで用いられることも多い。褒め言葉にも悪人への非難にもなるため、文脈に注意。例文
- 彼は若いころから呑舟之魚と評され、地方の小さな会社に収まる器ではなかった。
- 巨額の詐欺事件で逮捕された主犯は、まさに呑舟之魚と呼ぶべき大悪人だった。
- あの研究者は呑舟之魚だから、細かな規則で縛るより大きな裁量を与えたほうがよい。
- 法の網が呑舟之魚を漏らしては、社会の信頼は取り戻せない。
- この市場には、業界地図を一変させる呑舟之魚のような新興企業が潜んでいる。
類義語
- 大物
- 大人物
- 傑物
- 大器
- 巨魁
- 大魚
- 英雄豪傑
対義語
- 小人物
- 小物
- 斗筲之人
- 凡夫俗子