則天去私
読み方
そくてん きょし意味
私心や小さな自我への執着を捨て、天理・自然の大きな流れに従って生きること。物事を自分の利害や感情だけで判断せず、広く自然で公平な境地に立とうとする態度をいう。由来
「天に則り、私を去る」と訓じる漢語的表現。中国古典に語構成の源をもつが、この四字を思想語として有名にしたのは夏目漱石で、明治末〜大正初期、特に1910年(明治43年)の修善寺大患後の晩年の境地・文学観を示す言葉として広まった。正確な初出年は諸説あり未詳。備考
夏目漱石の晩年思想を語る際に頻出する語。日常会話ではやや硬く、文学・思想・人生観の文脈で使われることが多い。例文
- 彼は名誉や利益にとらわれず、則天去私の心で研究を続けた。
- 夏目漱石の晩年の作品を読むと、則天去私という境地への志向が感じられる。
- 社長は個人の功績を誇らず、則天去私の姿勢で組織全体のために判断した。
- 怒りに任せて決めるのではなく、則天去私を思い出して冷静に話し合おう。
- 芸術家としての彼女は、自我を前面に出すよりも則天去私の境地を目指していた。
類義語
- 無私無欲
- 滅私奉公
- 自然随順
- 公明正大
- 虚心坦懐
対義語
- 私利私欲
- 利己主義
- 我田引水
- 自己中心
- 独善専行