全豹一斑
読み方
ぜんぴょう いっぱん意味
物事の全体と、その中のごく一部分のこと。また、一部分を手がかりに全体の様子を推し量ることをいう場合もある。「全豹」は豹の全身、転じて全体。「一斑」は豹の斑点の一つ、転じてわずかな一部を表す。由来
中国・南朝宋の劉義慶が編んだ『世説新語』方正篇(5世紀前半ごろ成立)に見える「管中窺豹、時見一斑」(管を通して豹をのぞき、一つの斑点だけを見る)という故事に由来する。もとは視野の狭さや部分的な観察をいう表現で、のちに「一斑を見て全豹を卜す」のように、一部から全体を推測する意味にも広がった。「全豹一斑」という四字句として定着した正確な時期は不詳。備考
硬い文章語で、日常会話ではまれ。一般には「全貌の一端」「片鱗」「一部から全体を推測する」などと言い換えると通じやすい。例文
- 序章を読むだけでも、この大著の全豹一斑をうかがうことができる。
- 数枚の写真だけで遺跡の全豹一斑を論じるのは、まだ早すぎる。
- 今回の中間報告は、十年に及ぶ研究の全豹一斑を示したにすぎない。
- 彼の短い証言から、事件の全豹一斑がようやく見えてきた。
- 展示された試作品には、新事業構想の全豹一斑がよく表れている。
類義語
- 管中窺豹
- 一斑を見て全豹を卜す
- 片鱗をうかがう
- 一端を知る
対義語
- 全貌把握
- 全体把握