低回趣味
読み方
ていかい しゅみ意味
俗世間の名利や実利から少し距離を置き、自然・芸術・文学などに親しみながら、ゆったりと思索したり味わったりする趣味・態度。忙しく成果を求める生き方ではなく、余裕をもって美や情趣を楽しむ姿勢をいう。由来
「低回(低徊)」は、思いにふけりながらあたりを歩き回る、または去りがたく徘徊する意。「趣味」は美的な好み・味わい方を指す。語としては近代日本文学、とくに夏目漱石の文学観に関連して明治末期(1900年代後半、明治40年前後)に広まったとされる。厳密な初出年は不詳。備考
「低徊趣味」とも書く。文学的・やや古風な語で、日常会話ではまれ。「低い趣味」「低俗な趣味」という意味ではない点に注意。例文
- 彼の随筆には、都会の喧騒を離れて庭の草木を眺める低回趣味がよく表れている。
- 定年後の父は、名声を追うよりも、読書と散歩を楽しむ低回趣味の生活を選んだ。
- この小説の魅力は、事件の派手さではなく、主人公が季節の移ろいに心を寄せる低回趣味にある。
- 効率ばかりを重んじる現代社会では、低回趣味のような余裕ある感性が失われがちだ。
- 旅先で名所を急いで回るのではなく、川辺でぼんやり過ごすところに彼女の低回趣味が感じられる。
類義語
- 悠々自適
- 閑雲野鶴
- 風流三昧
- 晴耕雨読
- 花鳥風月
対義語
- 功利主義
- 実利主義
- 名利追求
- 拝金主義
- 俗物根性