不生不滅
読み方
ふしょう ふめつ意味
仏教で、真理や諸法の本質は本来「生じる」ことも「滅びる」こともないということ。現象としては生成消滅して見えても、究極的には固定した実体がなく、始まりや終わりとして捉えられないという中道・空の考えを表す。一般には「生まれも滅びもしない永遠不変のもの」の意でも用いられる。由来
仏教語。サンスクリットの「anutpāda(不生)」「anirodha(不滅)」などに由来する漢訳表現で、大乗仏教の般若・中観思想と関わる。特に龍樹(ナーガールジュナ)の『中論』冒頭の八不「不生亦不滅、不常亦不断…」で知られる。『中論』はインドで2〜3世紀頃に成立し、中国では後秦の鳩摩羅什により409年頃に漢訳された。日本には仏教伝来後、飛鳥〜奈良時代以降に受容された。備考
日常会話ではあまり使わない仏教・哲学的な語。単純に「永久に存在する」と解すると、空や中道の本来の意味からずれる場合がある。例文
- 般若思想では、すべての存在は空であり、不生不滅であると説かれる。
- 師は、形あるものの変化に執着せず、不生不滅の真理を観よと語った。
- この寺の法話では、不生不滅という言葉を通じて生死を超える見方が説明された。
- 彼は肉体の死を恐れるより、不生不滅の教えに心の安らぎを求めた。
- 不生不滅は単なる永遠不変の意味ではなく、ものごとに固定した実体がないという理解と結びついている。
類義語
- 不滅不生
- 常住不変
- 無始無終
- 不増不減
対義語
- 生滅流転
- 諸行無常
- 有為転変
- 生者必滅