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三界無宿

読み方

さんがい むしゅく

意味

広い世の中のどこにも落ち着いて住む家や身を寄せる場所がないこと。転じて、定まった住所や生活の拠点を持たず、流れ歩く身の上をいう。仏教的には、生死の世界で安住できないことを含意する。

由来

「三界」は仏教で欲界・色界・無色界、すなわち迷いの世界全体を指す語で、『法華経』譬喩品の「三界無安」(鳩摩羅什訳、406年)などに見える。「無宿」は宿る所がない意。成句「三界無宿」としての成立年・初出は不明だが、近世以降、住居や身寄りのない流浪の身を表す語として用いられた。

備考

文学・時代劇・任侠物で見かける硬い語。現代の日常語では「住所不定」「住まいがない」などが普通で、人に向けて使うと差別的・侮蔑的に響く場合がある。

例文

  • 戦災で家族も家も失い、彼は三界無宿の身となって各地をさまよった。
  • 小説の主人公は、三界無宿の渡世人として宿場から宿場へ流れていく。
  • 彼は定職も住まいも持たず、三界無宿のような暮らしを長く続けていた。
  • 江戸を舞台にした芝居では、三界無宿の浪人が事件の鍵を握る人物として登場する。
  • 現代で誰かを三界無宿と呼ぶと、事情を無視した冷たい言い方に聞こえることがある。

類義語

  • 住所不定
  • 無宿
  • 流浪漂泊
  • 流離転々
  • 根無し草

対義語

  • 定住
  • 有宿
  • 安住
  • 安居楽業
  • 安土重遷

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